グレート・レース

グレートレース 特別版

いつの時代もレースは人の血を熱くさせてくれるものです。自動車レースをテーマにしたものは、『栄光のル・マン 』、『モンテカルロ・ラリー』など多くの映画がありますが、自動車黎明期を舞台にしたアクション・コメディ『グレート・レース』を忘れることは出来ません。



20世紀の初頭、冒険家のレスリー( トニー・カーティス)は数々の困難に挑戦をしてみせて、それを成功させます。それを面白く思わないフェイト教授(ジャック・レモン)は部下のマックス(ピーター・フォーク)と共に持ち前の悪知恵で冒険に挑戦したりレスリーの妨害をしますが、いつも失敗してばかり。そんな時、自動車の優秀さを世に示そうと、ニューヨーク=パリ間の大自動車レースが企画されます。レスリーとフェイト教授を始め、取材にに大ハリキリの女性新聞記者マギー( ナタリー・ウッド)も参加。ここに長い珍レースの火蓋が切られます・・・・・・。

この頃のブレイク・エドワーズ監督は『ティファニーで朝食を』(1961)、『酒とバラの日々』(1962)、『ピンクの豹』(1963)、『暗闇でドッキリ』(1964)とノリに乗った感じで次々に映画を世に送り出していました。この映画はトーキー初期の頃を意識したレトロ調のオープニングで、ヘンリー・マンシーニの音楽が花を添えています。

映画の中でのキャラクタ-分けの極端さがすごいです。 トニー・カーティス扮する主人公レスリーは常に真っ白な衣装で歯がキラリと光ります(笑)。これに対抗できるのは、『月夜の願い』で目から秋波光線をだすトニー・レオンぐらいじゃないでしょうか?しかもなにをやってもそつなく成功するのみならず、スラップスティックの古典の定番・10人ぐらいが入り乱れるパイ投げのシーンでは、パイが飛び交う真ん中にいながら一番最後のあたりまでまったくパイが当らないという徹底さ(笑)。

対するジャック・レモンのフェイト教授は何もかも黒づくめ。いつもネジが1本はずれたよな悪巧みばかり考えています。しかも何をやっても全部裏目。魚雷が地上を走って追っかけてくるぐらい恵まれていません(笑)。そのくせ、結構プライドが高く敵のほどこしは受けないという側面も持っています。この役をジャック・レモンが、実に嬉々としてやっている雰囲気が伝わってきてこっちまで嬉しくなってきます。子供の頃は正義の象徴レスリーを応援しちゃいましたが、大人になってからは断然フェイト教授の味方ですね(笑)。

自動車レースのコメディということで、ハンナ=バーベラのTVアニメーション『チキチキマシン猛レース』の原型みたいな作品ですが、ブラック魔王といつも行動を共にするケンケンに相当するのがフェイト教授の子分であるマックス。後にTVシリーズ『刑事コロンボ』で大ブレイクするピーター・フォークが好演しています。いつも教授に当り散らさせてぼやいたりすねたりしてますが、何かと「マックス!」と名前を呼ぶ教授が実は頼りにしているのを知ってかピンチにはけなげに助けに行きます。

怪気炎をあげながらマイ・ペースでまわりを引っかき回すナタリー・ウッド扮する新聞記者マギーは、正直かなり困ったちゃんなキャラクターなんですが、旬の女優の魅力をふんだんに見せてくれます。ヘンリー・マンシーニの美しいテーマ曲をギター1本で歌うシーンがまた素敵です。

尺がかなり長いのが玉に瑕ですが、古きよき時代の香りがする映画です。


【グレート・レース(The Great Race) 1965年 USA】
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by santapapa | 2005-01-13 21:00 | 洋画一般
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