カサンドラ・クロス

カサンドラ・クロス

『アンドロメダ・・・』『復活の日』と細菌ものを紹介しましたが、これまた細菌もののひとつです。



スイスのジュネーブにある国際保健機構に、スウェーデンの過激派ゲリラが乗り込みUSAの秘密生物研究セクションを爆破しようとします。その最中にガードマンと射撃戦になって液体の入ったビンが割れて中の液体を浴びた一人が命からがら逃げ出します。実はそのビンの中にはUSAが極秘裡に研究していた伝染性の細菌が入っていたのです。この緊急事態にUSA陸軍情報部のマッケンジー大佐(バート・ランカスター)が指揮をとり、逃走したゲリラがストックホルム=ジュネーブ間の大陸縦断列車に乗り込んでいることをつきとめます。列車の乗客リストの中に著名な医師であるチェンバレン教授(リチャード・ハリス)の名があるのを見つけたマッケンジーは、無線電話で呼び出して事件の概略を説明して車内に潜んでいるゲリラを捜させます。約千人の乗客乗せた列車は検疫収容のためにポイントを切り換え、ポーランドの元ユダヤ人収容所のあったヤノフへ向かいます。そしてその途中には大きな谷にかかる30年近くも使用されていない「カサンドラ・クロス」と呼ばれる鉄橋があるのです・・・・・・。

1970年代は猛吹雪の国際空港と旅客機のアクシデントを描いた『大空港』(1970)、巨大客船が転覆する『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)や高層ビルが大火災に見舞われる『タワーリング・インフェルノ』(1974)などのパニック映画の大作が作られたことでした。どれも大惨事という非常時の人間模様を描いた作品で、強い印象を残しました。この『カサンドラ・クロス』は政治的なサスペンスの要素も加味して、列車と言う密室でのいろんな登場人物の人間ドラマも描いている映画です。ソフィア・ローレン、エヴァ・ガードナー、マーティン・シーンなんかも出演していました。

もう30年近く前の作品ですから特殊撮影の部分は今見ると古く感じますが、当時はかなりの迫力がありました。その後の谷の描写がこの映画に寄せる制作者の強い気持ちを感じさせてくれます。また、途中列車を止めて防護服を来た表情の見えない多くの人間が取り囲み、黙々と窓を塞いで溶接して封印するシーンは寒気がするような怖さがあります。

ラストはこの先をいろいろと想像させてくれる映画です。そこもまたうまい作りになっています。今なお起こりうる出来事であることも見逃せません。

音楽は巨匠、ジェリー・ゴールドスミス。非常に印象的で情感溢れるスコアが全編に流れます。オープニングの広い空の風景に重なるテーマ曲が切なくもきれいです。


【カサンドラ・クロス(The Cassandra Crossing)1976年 イタリア=UK】
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by santapapa | 2005-01-12 00:06 | 洋画一般
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