ピンクの豹

ピンク・パンサー フィルム・コレクション

『ティファニーで朝食を』、 『追跡』、『酒とバラの日々』を世に送り出して油が乗っていたブレイク・エドワーズ監督が、一転して撮ったピカレスク・ロマンならぬコメディ。この映画で怪盗ファントムを逮捕しようとして世間に初登場したのが、パリ警察が世界に誇る(???)あのクルーゾー警部です。



某国の王女ドーラ(クラウディア・カルディナーレ)は国の民主化に伴ってヨーロッパに亡命していました。彼女の持つ「ピンク・パンサー」という宝石は、光にかざすと豹の模様が見えるという世にも珍しい宝石です。これを盗もうと画策するチャールズ卿こと大怪盗ファントム(デイヴィッド・ニーヴン)。そしてそれを阻止しようとするパリ警察のクルーゾー警部(ピーター・セラーズ)。さらにはクルーゾー警部の妻シモーヌ(キャプシーヌ)やチャールズ卿の甥ジョージ(ロバート・ワグナー)を巻き込んで、事態は意外な展開になっていきます・・・・・・。

本来宝石を盗み出す怪盗ファントムを主人公にしたドタバタ・コメディですが、まじめな顔で超ベタなギャグを次々に繰り出すクルーゾー警部がおいしいところを全部持って行っちゃって人気が集中。この後遂にはクルーゾー警部を主人公に据えて、ストーリーに宝石「ピンク・パンサー」が出ようと出まいとおかまいなく、「ピンク・パンサー・シリーズ」として映画が作られていき、いろいろとおなじみのキャラクターも増えてきました。

この映画の大きな見所のひとつは、後半の仮装パーティ。ドタバタでオヤクソクなギャグの応酬ですが、ゴリラや花火や金庫やシマウマやカー・チェイスなど、そこはかとないおかしさがたまりません。もうひとつが中盤、ホテルのクルーゾー警部の部屋で見つからないようにチャールズ卿と甥がそれぞれ間男ばりに隠れるところ。ハラハラしてこそばゆい場面です。間男はやったことがないしやる気持ちも全然無いのですが、今は亡き妻と交際を始めた頃は世間的にまだ内緒だったので、下の階に住んでいる弟君が用事で階段を上がってくるとベッドの中や箪笥に必死で隠れたことを思い出します(苦笑)。

この映画で好きなところは、いつもおカタイ顔をしている(←この前提が大事)ドーラ王女がシャンパンで酔ってコケテイッシュな魅力を振りまくところ。怪盗ではあっても根は紳士であるチャールズ卿との会話と背景と次々に流れる美しいヘンリー・マンシーニのBGM。泰西名画を見たという満足感が得られるゴージャスでうっとりするようなシーンは、そういえば最近はあまり目にしない気がします。洋画の中でのお気に入りシーンのひとつです。

そう、ヘンリー・マンシーニも油が乗りまくっていた時期でしょうか、くだんのBGMのみならずタイトルバックのアニメーションと共に流れる有名になったあのテーマ曲、そしてクラウディア・カルディナーレのプロモーション・ビデオ風にフィーチャーされるエキゾチックなメロディの「今宵を楽しく」など魅力満載です。「今宵を楽しく」のメロディはテーマ曲のメロディに負けず劣らず、映画の中のサウンド・トラックで随所に出てきていました。


【ピンクの豹(The Pink Panther) 1963年 USA】
[PR]
by santapapa | 2004-12-27 22:16 | 洋画一般
<< フレッシュ・ゴードン 世界大戦争 >>