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【ヘンリー・マンシーニ】

ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)。私の一番好きな映画音楽の作曲家です。私は20世紀最高の作曲家の一人だとも思っています。



1924年4月16日、USAはオハイオ州クリーヴランド生まれ。本名はEnrico Nicola Mancini。父親はオーケストラのフルート奏者で、ヘンリー・マンシーニもその影響で5歳の頃からピッコロを吹き始め、8歳でフルート、そして12歳でピアノを学んだそうです。カーネギー学院の音楽科、ジュリアード音楽院を経て1945年にはグレン・ミラー楽団にアレンジャー兼ピアニストとして入団します。次第に映画音楽に傾倒したヘンリー・マンシーニは、1952年にユニバーサル・スタジオに入社してジョセフ・ガーシェンソンの下で『グレン・ミラー物語』や『ベニイ・グッドマン物語』などの音楽に参加、その後TV映画『ピーターガン』の音楽が大評判になり、『ティファニーで朝食を』でアカデミー賞を受賞、ハリウッドを代表する映画音楽家として有名になっていきます。1994年6月14日に病気により70歳の生涯を閉じました。

主な作品は以下の通り(goo映画)。
http://movie.goo.ne.jp/cast/2981/index.html

『ひまわり』もヘンリー・マンシーニの代表曲のひとつですが、音楽が非常に印象的な映画のひとつです。粗筋だけとってみれば単なるメロドラマに近いものがあるストーリーですが、あの野原一面のひまわりの映像とヘンリー・マンシーニの音楽がこの映画を名画に昇華したように思えます。ピアノのアルペジオとテーマに始まり、ストリングスが滑り出した瞬間の広がりがマンシーニならではのアレンジではないでしょうか?

ジャズのスタンダードとして演奏もされる『酒とバラの日々』も美しいハーモニーの名曲です。一見優美に見えるタイトルのせいか、結婚式でも演奏されることがある曲ですが、映画はアル中でボロボロになって破局する夫婦の話なんで本当は冠婚で演奏するにはかなりヤバイ曲です(苦笑)。うちの結婚式では『酒とバラの日々』禁止令を出したので、イエスやクリムゾンなどの曲を演奏するはめに(苦笑)。

『グレート・レース』のタイトルバックで、ディキシー風の朗らかな演奏から一転ロマンティックなコーラスになるテーマもヘンリー・マンシーニならではのウィットに富んだ曲でした。

TVシリーズだと米NBCで放送されていた「Mystery Movie」シリーズのテーマ曲は、日本でNHKが『刑事コロンボ』を放映する際に使っていたので。「ああ、あの曲!」と思い出す人も多いでしょう。重厚なイントロに続いて口笛風のシンセサイザーでのテーマが印象的です。

ヘンリー・マンシーニの曲に接していて思うのは、まずメロディの美しさ。そして、巧みなアレンジによる豊かなサウンドです。『Sounds and Scores: A Practical Guide to Professional Orchestration』というカセット付(今はCD付)のマンシーニのアレンジ手法を記した本があるのですが、なるほど楽譜を見ながら音を聴くと「あのサウンドはこういうアレンジだったのか」と納得がいきますが、それを作り上げたヘンリー・マンシーニにはただただ脱帽するばかり。他人の曲でも、例えばヘンリー・マンシーニ楽団で『チャーリーズ・エンジェルのテーマ』を演奏していますが、サンタパパ的にはTV版も最近の映画版も比にならないぐらい気に入ってるかっこいいアレンジです(ベーシストが適当にルーズだったりしますが、それもかっこいい(笑))。このアレンジは気に入っていたようで、LDで出ていた「Henry Mancini And Friends」というカナダでのライブ・ビデオでも、オープニングで演奏しています。

今となっては少し古臭いサウンドになるのかもしれませんが、ぜひとも後々まで名前を覚えておいてほしい素晴らしい作曲家だと思います。
by santapapa | 2004-12-10 23:25 | 映画音楽
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