惑星ソラリス

惑星ソラリス

1972年のソビエト映画でSF映画の中でも名高い作品です。本国の公開から5年後の1977年に日本公開されました。



舞台は既に恒星間航行が行われている未来。数年前惑星ソラリスから帰って来た調査員から、生きていると思われるソラリスの海と接触しようとする試みはこれまですべて失敗しているとの報告が来ています。主人公のクリスはその報告を見た後、惑星ソラリスの軌道上に浮かぶ宇宙ステーションへ送り込まれます。先に三人の学者のいるはずの宇宙ステーションは、静寂と荒廃が支配していて、しかもクリスの友人の物理学者は原因不明の自殺をしてしまっていました。残った二人の学者であるスナウトとサルトリウスも何かに怯えているような様相です。彼らはクリスに、自分達以外の人影を見ても気にするなと忠告をします。はたして一眠りしたクリスが目覚めた時、そこには数年前に死んだはずの妻ハリーが現れていました・・・・・・。

この映画も原作を読んでからしばらくして公開されたので見た映画です。スタニスラフ・レムはロボット宇宙弥次喜多珍道中の「宇宙創世記ロボットの旅」や「泰平ヨンの航星日記」みたいな一種独特の味を持ったアホなSFから、この映画の原作になった「ソラリスの陽のもとに」のような作品まで書ける器用な作家だと言う印象でした。私的にはコンタクトがすれ違いに終わったことに対して思索する原作のラスト・シーンが好きですが、「海」が触媒として扱われているこの映画のラスト・シーンも悪くないと思います。

この映画を見るたびに、理詰めでは帰ってくるはずのないいろいろなものに対して、御しがたい感情がこみ上げてきてしまう存在が人間であるのかなと思ってしまいます。現実の中では終わっているものが、脳の中では続いていたり巻き戻っていたりするという。人はそういう中で生きているのではないでしょうか。私事ですが、特に今は亡きかつての妻が時たま夢に出てきてそして目が覚めた時の気持ちは、どうにも言い難い感情に包まれてしばらくは身を起こしたまま佇んでしまう外ありません。

やはりなんといても我々にとって衝撃的なのは、当時のソビエトの考える未来都市として描かれているのが東京の首都高速だったことでしょう(苦笑)。このシーンは別な意味でインパクトがありました。ブラジルで放映されてる仮面ライダーは前半のストーリーが現地俳優による現地でのロケで戦いの場面で、変身してからは急に場面が後楽園遊園地になる(日本のフィルムの使いまわし)と聞いたことがありますが、それみたいなものなのでしょうか?(ちょっと違う)

J.S.バッハのオルガン曲である「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」が映画の雰囲気にぴったりマッチしています。

最近USAでの『ソラリス』という邦題でリメイクされましたけど、まああれは・・・・・・・・・・・・。


【惑星ソラリス(Solaris) 1972年 USSR】
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by santapapa | 2004-11-25 21:37 | 洋画一般
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