野球狂の詩

野球狂の詩

今年のドラフト会議で阪神タイガースはドラフト史上最年少の15歳の辻本を指名しました。15歳のプロ野球投手といえば、水島新司の『野球狂の詩』の「ルーキー15歳」でも御曹司の15歳アンダー・スロー投手、立花薫の活躍が描かれています。

1991年日本野球機構はプロ野球協約第83条「(不適格選手)球団は以下のものを支配下選手とすることはできない。」の第1項「医学上男子でないもの」を削除しました。昔は4球団での女子プロ野球連盟による女性のプロ野球チームがありましたし、2001年の東京六大学の試合では明治大学、東京大学共に女性投手を先発に起用したりしています。いつかは女性のプロ野球選手が出てくる時代もくるかもしれません。



これはまだ1970年代のお話。1976年のドラフト会議で東京メッツは、武蔵野高校女子野球部の水原勇気を第一位で指名します。動物学者になりたくて進学を希望する水原勇気を口説き落とし入団までこぎつけたものの、当時の野球協約で女性ははプロ野球の選手にはなれません。そこでオープン戦でプロ野球総裁(コミッショナー?)の前で南海の野村克也と対決させたところ、熱意に負けた総裁は入団を特別許可します。合宿所に入った水原勇気は途中で広島に移籍する武藤の力添えもあって毎日ハードなトレーニングを続けます。その甲斐あって1977年の東京メッツ対大阪アパッチの開幕戦でストッパーとしてリリーフ。未完成の魔球を投げてなんとか最後の打者を打ち取り、3連戦を終えた東京メッツのメンバーはいよいよ新幹線で広島に乗り込みます。終り。

終り?


なんかすごく中途半端な終わり方でびっくりしちゃいました(『ヘブン・アンド・アース』ほどじゃないにしても)。「あれ?因縁の対決は?」って感じでどうにも座りが悪いです(笑)。しかもドラフト会議ではすべて架空のチームが12球団だったのに、南海とオープン戦をやったり、広島との対戦ってつじつまがあわなさすぎな気が(苦笑)。

映画自体は基本は水原勇気役の木之内みどりによるアイドル映画なんで仕方ないとはいえ、当時の邦画独特のまったり感が全編に溢れます。いや、木之内みどりはかわいかったんで許しますけど。一応期待するほどでもないゆるゆるの(日活だというのに(笑))サービス・シーンもあって、チャプターをつけてあるのはさすがというか(笑)。

問題のひとつは野球のシーンで、どう見ても草野球をやっているとしか思えない感じなのが最大のマイナス要因です。昨今の女子ソフトボールなんかの試合で目が肥えているとますますその感が強いと思います。打つ方はとりあえずともかくも、投げる方が特にかなり素人くさいの見え見えで、見ていて悲しいです。

協力・南海ホークス(今の福岡ダイエー・ホークスですね)ということで当時の緑を基調としてベルト位置がラスタ・カラーのなつかしいユニフォームを見ることが出来ます。また架空のライバル・チームである大阪アパッチのビジター・ユニフォームは、帽子も含めて当時の阪神タイガースのビジター・ユニフォームとかなり似せています。このユニフォーム、かっこよくて好きだったんですよ。私が阪神ファンになったきっかけのひとつです。

野球指導が江藤慎一(実況解説としても映画の中で出演)、出演が野村克也、藤田学、豊田泰光、森徹、辻佳紀といった面々。当時42歳で晩年ながら現役だった野村克也の南海のユニフォーム姿は眩しいです。それにしてもヒゲ辻は存在感ありすぎ(笑)。

サンタパパ的には水原勇気以前の「野球狂の詩」は最高の野球マンガだと思ってました。あの頃の水島新司のマンガは面白かったんですよ。映画の脚本はラストがアレでしたが、原作無視でオリジナルのストーリーや登場人物をぶちこむことがありがちな邦画の中で、かたくなに原作のイメージを守っていることだけは評価できます。原作の「野球狂の詩」からのいくつかのエピソードをミックスしているのもさることながら、マンガ以上にマンガっぽい小池朝雄扮する岩田鉄五郎が笑えます。丹古母鬼馬二の力道玄馬も負けてませんが(苦笑)。岩田清も原作同様影薄いし(苦笑)。メンバーも東京メッツの黄金期のメンバーを再現してますし、マンガにもあったスローボールにハエが止まるシーンも再現されてます(苦笑)。また尻間専太郎スカウトには谷啓が扮してますが、阪神の桟原投手の大叔父であるハナ肇は出演していません。

主題歌「恋のブロックサイン」(爆笑)を当時売り出しの女性3人組アイドル、アパッチが歌って一部出演もしています。


【野球狂の詩 1977年 日本】
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by santapapa | 2004-11-22 23:35 | 邦画
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